2008年9月20日土曜日、台風一過の爽やかな秋晴れ。この日のFLOWは自信に満ち溢れていた。それもそのはず、1年半をかけたFLOW LIVE TOUR 2007-2008「アイル」全国51都市61公演を終え、ファイナルとなる62公演目のその会場は、デビュー5年目にして初の日本武道館なのだから。しかも、このツアーは当初、予定調和の順風満帆なものではなかった。というのも、このツアーがスタートした時点では、初日の横浜BLITZ公演のみしかブッキングされていなかったという見切り発車状態だった。それが、続けざまのシングルヒットと全国のファンに支えられて、今日の日本武道館ファイナルまでつながったのだ。
ライブは1曲目のメジャーデビュー曲「ブラスター」からメンバーは勿論のことファンもパワー全開。兄弟であるKOHSHI(兄、Vo)、TAKE(弟、G)が結成したFLOWだが、グルーヴ感は、まるでバンド全体がひとつのファミリーであるかのような一体感だ。
GOT’S(B)とIWASAKI(Dr)のリズム隊はしっかりとした主張のあるプレイであらゆるタイプの曲をぐいぐい引っ張っていき、今やFLOWの顔であるKEIGO(Vo)は伸びのある歌のみならず、その飾らないMCでもファンを魅了し、KOHSHIのクールさと熱さが同居するボーカルと抜群のコンビネーションをみせる。
彼らのヘヴィーな一面を披露したミクスチャーメドレーでは会場は大暴れ! 「海へ行こう」ではKOHSHIにあおられ、アリーナ、1F、2Fと会場全体でウェーブ。続く「Around the world」で盛り上がりはピークに。「太陽の唄」からの心の奥までしみ込んでくるアコースティックなバラード・コーナーをはさみ、その後は怒濤の如く「ありがとう」までまっしぐら。アンコール前にはメンバーに内緒で配られた人文字ならぬ風船文字で会場全体がハートを描くサプライズ。ラストの「Garden」では歌詞の“手をつないで輪になって”の通り、ファンみんなが手をつないで感動のフィナーレ。彼ら自身も言う様に、FLOWはやっぱりライブがいい! 間違いなく、メンバー、ファン共に、忘れられない夜となった
(text: Nobumitsu Negoro)